2023年度の終わりを間近に控えまして

 3月に入り、「ゆっくり考えるための塾」にとっての6度目の入試シーズンが終了しました。今年度は、計8名の生徒たち(高校入試5名、大学入試3名)の入試のサポートをさせていただきました(内部進学も含めますと、計11名の生徒たち〔高校進学7名、大学進学4名〕になります)。最初は手取り足取りの指導から始まった生徒たちも、入試日が近づくにつれてどんどん頼もしくなり、ついには自らの進路を、自らの力で見事つかみ取ったその姿に、私の心は大きく揺さぶられました。みんな、合格おめでとう! あなたたちがベストを尽くして手に入れた素晴らしい進学先で、臆することなく、新しいことをたくさん学び、あなたたちひとりひとりの輝きがさらに増していくことを、心の底から願っています。

 今年度、入試に臨んだ生徒たちのおかげで、改めて強く認識することができたのは、子どもたちが自ら走り始めるまで、大人たちは決して焦ることなく、子どもたちとともにゆっくりと歩きつづけることの大切さです。この点について、浜学園の松元茂学園長が、朝日小学生新聞の2024年春号(2024年2月29日発行)の紙面上で、「低学年の子どもをもつ保護者の皆さん」への「メッセージ」として、次の仕方で語っていらっしゃいました(大変僭越ながら、めったに目にすることのできない、超一級の教育者の言葉だと感じました)。


松本 保護者の方には「あまり慌てないでください」とお伝えしたいです。将来、中学受験をお考えだと今のうちから受験に向かって前を向いて、ほら立って、ほら走って、というように勉強を急かしたくなるかも知れません。しかし低学年のうちは一歩進んだら二歩下がることも多いのです。それでもいいのです。子どもの考えや意見を聞いてあげながら一緒に歩いてください。すると子どものスピード感がどこかでグッと速くなるはずです。そのとき後ろから大きな力で「ガンバレ!」と押してあげることが大切だと思います。


 松本先生のお言葉は、「中学受験」を予定している「低学年の子ども」にのみ当てはまるものでは決してなく、「あらゆる段階の入試」を予定している「あらゆる学年の子どもたち」にも当てはまるものだと思います。高校入試を控えている中学生であれ、大学入試を控えている高校生であれ、決して急かすことなく、ともにゆっくりと歩いていると、「子どものスピード感」が「グッと速くなる」瞬間が必ずやって来ます。それは子どもたちが、大人たちの強制から自由になり、自ら走り出そうとする瞬間です。子どもたちが無事に一人で走り始めたら、私たち大人にできることなどほとんどありません。未来へ向かってひた走る子どもたちを、ただただ遠くから見守るのみ…。大人になるって、何てさびしいことなのでしょうね!

 次年度も、講師一同、子どもたちとともにゆっくりと歩きつづけることを最重視しながら、子どもたちが安心して勉強できる場所を皆さまに提供させていただけるよう、全力を尽くしてまいります。「ゆっくり考えるための塾」を引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

(文責・塾長)

ゆっくり考えるための塾

小学生から高校生までを対象とした「完全1対1」の個別指導塾です。 京王井の頭線「東松原駅」徒歩1分の場所にあります。

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